iPhone Duo対応は何から始める?画面設計と開発準備のチェックポイント

AppleがiPhone Duo向けの開発資料を公開

Appleは2026年9月9日、iPhone Duo向けの開発情報を公開しました。iPhone Duoは折りたためるiPhoneです。外側と内側の画面を使い分け、開き方に応じてアプリを表示するため、開発者は画面の広さと操作ボタンの置き場所を見直すことになります。

この記事では、Appleの設計資料をもとに、既存アプリで点検する画面と準備の順序を整理します。最初に主要な操作を使い続けられる画面構成を考え、そのあとで折りたたみや複数画面を使う追加機能を検討すると、対応範囲を決めやすくなります。

準備は、主要な操作から始める

表示領域を変えて考える

狭い領域と広い領域で、同じ操作をどこから始めるか整理する。

ボタンの置き場所を点検する

折り目、カメラ、システムの表示と重なる箇所を洗い出す。

専用環境での確認を予定に入れる

Xcode 27.1ベータの提供予定を確認し、試す画面と操作を先に決める。

2026年9月10日時点の開発者向け案内では、iOSアプリの開発ツールであるXcode 27.1ベータと詳しい準備文書は今月後半の提供予定です。設計の検討には公開済みの動画を使い、専用の開発環境が提供された段階で実際の表示を確かめる、という順序で計画できます。

画面の広さに合わせて情報を組み替える

Appleの設計解説は、開き方ごとに独立した画面を作るより、利用できる空間に合わせて構成を変える方針を示しています。例えばメモアプリなら、狭い領域では一覧から本文へ進み、広い領域では一覧と本文を同時に見せる構成が考えられます。

狭い表示領域

メモ一覧
↓ メモを選ぶ
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広い表示領域

メモ
一覧
選択した
メモの本文
メモアプリの構成例。表示領域に応じた情報の並べ方を示す自作の模式図です。

実装を点検するときの手がかりが、表示領域の大きさの区分を表す「サイズクラス」です。アプリ準備の解説では、端末の縦向き・横向きだけに頼らず、この区分を使う方法を紹介しています。SwiftUIやUIKitの標準的な画面部品も、領域に応じた構成を検討する際の出発点になります。

画面を選ぶなら、利用者がよく使う「一覧から詳細を開く」「入力して保存する」といった一連の操作を優先します。広くなった分だけ情報を追加するか、本文や画像を大きくするかは、その操作の目的から決めます。

折り目とシステム表示から操作領域を確保する

開いた画面には、折り目付近やカメラなど、配置に配慮する場所があります。折りたたみに応じたレイアウトの解説では、ボタンなどを移動させる対象と、連続してスクロールする本文やフィードを区別しています。画面上の要素は、用途に応じて扱いを決めます。

画面内の要素を用途で分ける

押す・選ぶ要素

保存ボタンや再生操作など。折り目付近でも見つけて操作できる位置を検討する。

まとまって意味を持つ要素

画像と説明、再生画面と操作群など。移動後も対応関係が伝わる構成にする。

連続して読む要素

記事本文やフィードなど。スクロールする内容として扱い、要素の移動を増やしすぎない。

カメラやシステム表示を避けて内容を配置できる領域は「セーフエリア」と呼ばれます。Appleの準備動画は、iPhone Duoでは左右などの余白が異なる場合を考慮し、それぞれの辺の値を扱うよう案内しています。独自のツールバーや画面端のボタンを持つアプリは、その配置を点検対象に入れます。

複数画面の追加機能は用途から選ぶ

複数ディスプレイとシーンの解説では、2つのアプリを並べる表示や、同じアプリの複数ウインドウへの対応も紹介されています。「シーン」は、ウインドウなど、アプリの表示とその状態を管理する単位です。内側と外側では新しいウインドウを作れる条件が異なるため、複数ウインドウを持つアプリは、その条件を確認する必要があります。

既存アプリの用途に当てはめるなら、資料を見ながら入力する、2つの文書を見比べる、といった場面が候補になります。カメラアプリでは、撮影者と被写体側に異なる内容を見せる使い方も紹介されています。まず基本操作の画面を整え、こうした使い方がアプリの目的に合う場合に追加機能として計画します。

今できる準備とXcode 27.1提供後の確認を予定に入れる

公式動画を見る順序は、画面構成の考え方を知るDesign for iPhone Duo、既存アプリの点検箇所を知るPrepare your app for iPhone Duoの順をおすすめします。そのうえで、独自の画面部品が多いアプリは折り目に応じた配置の解説、複数ウインドウを検討するアプリは複数画面の解説へ進むと、自分の対応範囲に沿って確認できます。

対応作業を進める順序

01 今:主要画面と点検項目を決める

設計動画を確認し、固定した画面幅、端末の向きによる分岐、画面端の独自ボタンを点検候補として記録する。

02 環境提供後:開閉と領域の変化を試す

Xcode 27.1のiPhone Duoシミュレータで、開く・閉じる・回転する・折り曲げる操作と、分割表示を確認する。

03 基本操作の確認後:追加機能を選ぶ

複数ウインドウや外側画面の利用が、利用者のどの作業を改善するかを決める。

Appleは準備動画で、Xcodeでシミュレータの端末状態を操作するDevice Hubを使って開閉や折り曲げをシミュレートする方法を紹介しています。提供時期は開発者向け案内で確認し、次のような点検表を先に用意しておくと、確認結果を対応作業へつなげられます。

Xcode 27.1提供後に使う点検表の例
操作・状態見る箇所
一覧から詳細を開く表示領域を変えても、選択した内容と戻る操作を追えるか。
入力途中で開閉する入力欄と保存操作が見つかり、入力を続けられるか。
折り曲げて操作するボタンやダイアログが折り目付近で操作しづらくならないか。
別のアプリと並べる領域が狭くなっても、主要な操作を完了できるか。

最初の作業は、主要画面を一つ選び、狭い領域・広い領域・折り目付近で何を確認するか書き出すことです。画面名だけでなく「入力を保存できる」などの到達状態まで決めておくと、修正の優先順位を付けられます。

参考資料